【GⅠ特集】 安田記念 2020
こちらは安田記念の特集ページです。
秋のマイルCSだと3歳馬や夏の上がり馬などが混じるので新たな要素も加わるのですが、春の安田記念はメンバーが知れた組み合わせになりがちです。
いくら豪華であったとしてもそこに新鮮味はありません。
なので、特集記事もどう編成するべきかでかなり迷っております。
それに、先週までのオークス・ダービーはレースの性質上出来るだけ全頭紹介の形を取りましたが、何度も触れた今回のメンバーにそこまでする必要は感じません。
特にアーモンドアイなどは同じ条件のレースで3週前に扱ったばかりで、この短期間であえて言う事はないでしょう。
とにかく底の割れているメンバーですから全体をくまなくやるよりも、特徴的な点や異質な点ををクローズUPした方が良いのではないかと思います。
そうすることで勢力図を修正・補完していくことが出来ると思います。今回の全体像をこのような形で作っていこうと思います。
今年目立っているのはスプリンターが多く参戦していることと、ダノン勢の3頭出しと言ったところでしょうか?
この辺を中心に扱ってみるのが一つの方法かな?と思います。
ただ、スプリンター達をコーナーを儲けて力点置くのもどうかと思います。
ロードカナロアやレッドファルクスなどスプリンターも安田記念で好走していますから全くイラナイと言うこともありませんが、全てに注意を向ける必要もないでしょう。
なので、3頭出しで執念を感じるダノン勢をまずは集中的に扱ってみようと思います。
それ以外に真新しい感じはありませんが、昨秋のマイルCSに出走していなGⅠ馬も何頭かいて、今回のメンバーでは初対戦と言う馬も多くいます。
それらの序列やパワーバランスを把握するために、昨秋のマイルCS不出走組として扱う事に意味はありそうです。
昨秋のマイルCS出走していないGⅠ馬アドマイヤマーズ、グランアレグリア、ノームコアの3頭に絞って項目を1つ儲けてみようと思います。
そして、最後にリピート候補馬としてインディチャンプ・アーモンドアイを確認程度に軽く触れるようにしたいと思います。
どちらも幾度となく扱っている馬ですが、人気の中心ですので経緯ぐらいは確認しておきたいものです。
2頭の基本性能や適性については割愛しながら、中間の調整などを中心い探ってみようと思います。
安田記念特集の各テーマはこちらから
▲ダノンキングリー・ダノンプレミアム・ダノンスマッシュについて扱います
▲アドマイヤマーズ、グランアレグリア、ノームコアについて扱います
▲インディチャンプ・アーモンドアイについて扱います
【GⅠ特集】 日本ダービー 2020
こちらは日本ダービーの特集ページです。
皐月賞が終わって以降の3戦は
と言う結果になっています。
青葉賞馬のオーソリティは出走して来ませんし、ボンドにエンダーは皐月賞下位入線馬。
これでは新勢力が皐月賞組の大勢を覆すのは難しいと言えそうです。基本的には皐月賞の再戦構図と言うことで今年はよいのではないでしょうか?
それでなくてもダービーにおける皐月賞組の占有率は高く、この10年で8勝2着7回3着5回の成績で3分の2のシェア率を誇っています。
多少の例外はありますが、ほとんどの年で馬券になれる3頭中の2頭以上が皐月賞組で形成されているのです。
そもそも皐月賞組が馬券にならなかった年はこの10年にはなく、全滅したのはタニノギムレットが勝った02年が最後です。
ダービー的中の最短距離は皐月賞を正しく評価出来ているかどうかで決まってしまうと言っても過言ではありません。
クラシック1戦目の分析・評価が非常に重要になっています。
そういう訳で今週の特集構成は皐月賞の回顧や評価を中心に扱う事にして、
と言う2点に分けて見ていきます。そして、皐月賞未出走の組を
として補足していく感じでやっていくことにします。
現在のイメージでは皐月賞の1・2着VS皐月賞3着以下群&その他組と感じでいるのですが、特集を通してこの可能性の妥当性を測れればいいなぁと思います。
そして、2強構図が崩れる可能性もゼロではないので、その根拠の様なもがあれば見つけられるようにやっていきたいと思います。
日本ダービー特集の各テーマはこちらから
【GⅠ特集】 オークス 2020
こちらはオークスの特集ページです。
オークスと言えばまずあるのが桜花賞から一気に距離が延びることで、各馬の距離適性について頭を悩ますことから始まります。
今年の登録馬の中でマイル以下の距離を走っていたのは
チェーンオブラブが1400m1戦
フィオリキアリが1400m2戦
マジックキャッスルが1200mと1400m1戦づつの2戦
ミスニューヨークが1400mを1戦だ
の4頭で5走だけ。
極端に短距離志向の強い馬は見当たりません。レッツゴードンキやレーヌミノルのように2400mが長いであろうと即座に判断できるような馬はいません。
むしろクラシックを歩まず中距離中心に使われていた馬の方が逆に厄介だったりするのがオークスの特徴の1つではないでしょうか?
デビューから中距離のレースを中心に使われている馬は一見するとオークス向きにのようにも見えます。
ですが、その中にはスピードが足りないから長い距離を使っていただけと言う迷惑なタイプも多くいます。
自身の鈍足さを誤魔化すために中距離を使っていた馬の処方は実にめんどくさいものです。
オークスではスピードや持続力も必要なレースですから、距離を長くしたところでGⅠでは通用しないというケースが必ずいるので厄介です。
このような馬よりは桜花賞組の方が純粋にポテンシャルが上なのではないかと思うのは私だけでしょうか?
それ故に、フラワーC・フローラS・スイトピーS・忘れな草賞から回って来る馬の評価は毎年難しくなっています。
これらの馬はクラシック路線を歩んでいた桜花賞組と未対戦と言う場合がほとんどなので、横の比較が出来ない分正確な序列付けが出来ません。
そこで、今年は桜花賞組以外の馬の方に出来るだけ時間や稿を割いてみようと思います。
2戦2勝のアブレイズ、デゼルなどはキャリアが少ないので難しい所もあるのですが、少ない過去走から馬のキャラクターや適性などを見出して行こうと思います。
なお、桜花賞組に関しては今年の内容に違和感を感じているので、結果を鵜呑みにしない方が良いだろうという方向で考えています。
とにかく史上稀に見る極悪コンディションで行われていたので、それで力を発揮出来なかった馬もいたのではないかと思われます。
上位に来た馬も例年の良馬場桜花賞であったら同じ結果だったか?というとそれは分かりません。
良馬場前提で成り立っている桜花賞組の傾向をそのまま踏襲して良いものかどうかは悩ましいところです。
また、オークスが同じような状況で行われれば気にする必要はないのかもしれません。
ですが、土曜雨、日曜晴れと言う予報になっているのでヴィクトリアMと同じぐらいの馬場状況で、コンディションは良いだろうと思います。
予想の準備は良馬場前提でしておく方が良さそうです。
桜花賞の結果は馬場の巧拙も影響していたと思うので、良馬場なら結果も違っていたでしょう。
着順にとらわれず敗戦組の見直しを中心にやっていき、可能性のある馬を抽出できるようにやっておく方がいいのではないかと考えています。
いつものように上位の組から再評価していくのではなく、負けた組を出来るだけ多く扱いたいと思うので、桜花賞組は広く浅く見ていくことになります。
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【GⅠ特集】 ヴィクトリアマイル 2020
こちらはヴィクトリアマイルの特集ページです。
ヴィクトリアM週から府中競馬場はA→Bのコース変更が行われることになっています。そのためイン前バイアスが発生しやすくなります。
過去10年で4コーナー5番手以内の馬の成績がこんな感じ▼
3勝2着4回3着5回
ですが、4コーナー10番手以下だった馬の成績も▼
3勝2着5回3着5回
となっていて、実際は追込み馬の方が若干上回った成績を残しているようです。あまり気にする必要はないなのかもしれません。
ただ、注意したいのは追込み馬の平均人気が4.77倍であるのに対して、先行馬の平均人気が7.75倍と高くなっていることです。
人気薄は追込み馬よりも先行馬の方に多く潜んでいるのです。
それを確認するために、それぞれの上位人気と人気薄の数をカウントすると
先行馬
∟1~3番人気:3頭
∟10番人気~:4頭
追込み馬
∟1~3番人気:6頭
∟10番人気~:2頭
と、なっていました。以上の事から、
「後方からレースをする場合には追込みにくい馬場状況を覆すだけの能力的アドヴァンテージが必要」
「人気薄の先行馬は馬場の恩恵を受けやすいので人気薄激走の頻度が高くなっている」
と言う2点が展開を想定する上で重要になってくると思われます。
今年の先行勢は逃げて良績を残しているコントラチェック・トロワゼトワルの2頭。そして、1200m戦でも先行出来ているメジェールスルーぐらいが目ぼしいところです。
重賞ウィナーのコント(武豊)も、日本レコードホルダーのトロワ(三浦)もこれだけ豪華なマンバーに交じるとさすがに人気薄の評価になってしまうと思います。
人気薄の逃げ馬を演じる資格は十分にあるでしょう。
どちらが逃げるのかはわかりませんけど、2頭の鞍上を見るとガチガチにやり合う能性は高くはないと思います。
コントにしろ、トロワにしろマイペースで行けた場合に可能性がゼロでははないでしょう。マークする価値はあるのではないかと思います。
また、今年は1倍台の支持もあり得るアーモンドアイが出走しています。レースもこの馬を中心に動いていくでしょう。
アーモンドの出方待ちで有力馬が牽制する事態も想定しておくべきだと思います。後方で踏み遅れるという事もおこりやすのでは?
そうなって来ると逃げ馬の生存率はさらに上がってくることもあるでしょう。
なにしろ、15年には最低人気のミナレット(18番人気)が逃げ残れてしまったレースです。こういう悲劇は忘れた頃に起こります。
逃げ先行馬の残り目には十分警戒しておく必要があるでしょう。
続いて、このレースの最も特徴的なポイントと言えるのが、リピータが発生しやすい事です。
ブエナビスタ
∟10年優勝→11年2着
ホエールキャプチャ
∟12年優勝→13年2着
ヴィルシーナ
∟13年1着→14年1着
ストレイトガール
∟14年3着→15年1着→16年1着
ジュールポレール
∟17年3着→18年1着
と、10年~18年までなんらかのリピート馬が必ず存在しています。
昨年はリピート馬の存在がありませんでしたが、これは一昨年の1~3着馬が1頭も出走していなかったからなので問題外です。
それも昨年の活躍馬が今年リピートすることでその継続性は維持されます。
そもそもGⅠ級の牝馬は繁殖に上がるのも早いので、ストレイトガールのように3年続ける馬はとても例外的な存在です。
2年走って引退と言うケースが多いのが普通です。なので昨年のようにリピートの継続性が一時的に途絶えてしまう年はこれまでにもありました。
このレースでリピーターとなるために必要な条件が初出走時に爪痕を残しておくことなので、そういう馬がいる年は十分注意せねばなりません。
今年は昨年の1・2着馬が出走していますからリピートが発生する可能性は十分にあると思われます。
ノームコア、プリモシーンの2頭は今年も注目の馬となるでしょう。
以上の傾向を踏まえまして、今回の特集は①逃げ先行馬について②リピート条件を持つ馬③GⅠ馬の3構成にしようと思います。
阪神牝馬Sがマイル戦になって以降は毎年必ず馬券に絡んでいるので、本来は阪神牝馬S組をしっかりと見ておくべきところです。
ですが、先週のNHKマイルC特集が「前走1着馬の馬券絡みはほとんどない」と言う理由から負け組にフォーカスしたところ、1~3着馬はその通りになりました。
セオリー通りの特集よりはレースの傾向に合わせてやっていく方が有意義なのかなぁっと思ったので、今週もそのようにさせて頂きます。
ただ、阪神牝馬S組は非常に重要な馬が多く出走していました。だから、おざなりにしているつもりは全くありません。
このレースについては回顧録で詳細に書いたつもりです。
特にサウンドキアラは本番を見据えた意図的な使われ方をしています。その辺についても触れておりますのでお時間があればご覧ください。
ヴィクトリアマイル特集の各テーマはこちらから
【GⅠ特集】 NHKマイルカップ 2020
こちらはNHKマイルカップの特集ページです。
とにかく荒れるGⅠレースで過去10年の主要券種の平均配当はどれも高い配当になっています。
馬連:8,271円
3連複:59,202円
3連単:311,345円
と、どれも高配当を記録しているレースなのですが、馬連ですらこれだけ高いのかぁと感心してしまいます。
馬連万馬券は4例もありますから、万馬券の発生率も非常に高い確率と言っていいでしょう。
なので、人気薄を3着で押さえておけば大丈夫なんてことはとても言えません。思い切った買い方が求められてくることにありそうです。
荒れ方のパターンを模索すると
1番人気:5勝
2番人気:1勝2着5回3着1回
3番人気:1勝2着1回3着1回
1番人気はちょうど半数の5頭が馬券絡みなので悪くはないのですが、該当馬はみな勝ち馬で他は2着も3着もありません。まさに丁か半かの状態で極端すぎます。
また、2番人気はまぁまぁな印象ですが、3番人気ははっきりと物足りません。
人気走の好走率が弱いのに加えて2桁人気が7度(1勝2着3回3着3回)も馬券圏内に激走しているので配当のインパクトが高いのは納得できます。
ただ、納得出来たところでその恩恵に授かるのは至難の業でしょう。波乱指数はとても高くまともな予想では間に合わない年がままあります。
また、人気のバロメータになるのは前走での成績です。
GⅠのステップレースで優勝したり、条件クラスを勝って勢いのあるタイプなどは評価の対象となりやすいところがあります。
クラシックレースや2歳GⅠなどはその傾向が顕著に出ており、また実際その通りの結果となる事も多いでしょう。
ですが、このNHKマイルCと言うレースはその点でイケてません。
前走1着馬の成績は3勝2着3回と6頭しか馬券になれていません(馬券になった30頭中の5分の1)。なので必然的に人気を裏切るケースが頻繁に起こってしまうのです。
特に16年以降は4年連続で前走1着馬が3着以内に1度も入着していないので大変でした。この傾向は今年もある程度引き継がれるのではないかと思います。
なので、今回は初めての試みになるのですが負けた組を中心に特集を構成して行こうと思います。
そうすることで前走の敗因分析や巻き返しの余地などを探っていければと思います。よって、
NZT勝ちルフトシュトローム、アーリントンC勝ちタイセイビジョン、ファルコンS勝ちシャインガーネット、毎日杯勝ちサトノインプレッサ
の4頭はあえて扱わない事に致します。ただ、当然これらを理由もなく軽視していい理由などはありません。
この4頭は情報的にも勝って当然的な評価のあった馬なので、それぞれの勝利にフロックのような曖昧さも介在していなかったと思います。
4頭全てにチャンスがあるでしょうし、私も4頭全てに印を回しているかもしれません。むしろ本命扱いの馬もいるかもしれません。
そういうつもりではいるのですが、今回は負け組中心で行かせて頂こうと思いますのでご了承くださいませ。
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【GⅠ特集】 天皇賞春特集 2020
こちらは天皇賞春の特集ページです。
3000m級のレースはステイヤーズS・万葉S・ダイヤモンドS・阪神大賞典と立て続けに番組が組まれていて、12月~3月の4ケ月に集約されています。
ですが、その頂であるべき天皇賞春では阪神大賞典以外の長距離レースからではほとんど活躍することが出来ません。
その頂を目指して鎬を削るローテションとしては機能不全に陥っている状況です。
なぜこのような事態に陥っているかと言うと、これらのレースにはB級ステイヤーしか出走してこないからです。
中距離だと通用するスピードがないとか、決め手比べになりにくい長距離レースだからとかがその理由になていて、能力面で通用の下地を持っていない馬がほとんどです。
また、GⅠ級の馬がこれらのレースに出走することは稀なので、別次元のレベルで競い合っている馬同士ではGⅠレースは敷居が高くなるのでしょう。
天皇賞春は能力不足のB級ステイヤーがスタミナだけで通用するレースではないのです。
なので、天皇賞春は大体の年で阪神大賞典組VS日経賞組と言う構図で行われることになります。何頭かの例外がいますが今年も同じような状況でしょう。
もしくは日経賞・阪神大賞典組による連合軍VSフィエールマンと言う感じなのでしょうか?
おおよそこの3勢力による立ち合いになりそうな今年の案配です。
特集メニューも①阪神大賞典組②日経賞組③菊花賞馬2頭と言うグループ訳でよいと思います。
ただ、昨年の天皇賞春に出走していたメンバーは3頭(1着・4着・5着)だけなので勢力図そのものは様変わりしています。
①阪神大賞典組と②日経賞組から馬券候補となるような馬をしっかりと見極めていきたいと思います。
なお、今回は京都大賞典から直行、JCから直行、マイル戦から臨戦とその他組の動向が意味不明なものが多いのであえて扱わない事にしました。
よって、ダイヤモンドS勝ちからここに出走してくるミライノツバサについては一切扱わない事になります。
冒頭申しましたように、ダイヤモンドSからではここで好走する可能性は少ないと考えています。
実際、ダイヤモンドSから直行して来て馬券になったのは15年2着フェイムゲーム1頭だけ。
そして、ダイヤモンドSがハンデ戦であったことや、ミラノツバサも最低人気での激走であったことから事故の様なものと認識しています。
レース上がり38.1秒の消耗戦であったことでバテた馬を交わしただけだろうと考えていますので、馬が強かったという印象も持てませんでした。
GⅠレースではそう簡単に前の馬は止まらないはずですし、長距離レースの割に上がりが高速化しやすいので同じようなことは起こらないだろうと考えています。
よほど馬が激変していれば△ぐらいは回すことはあるかもですが、現時点ではそのつもりもありません。
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【回顧】 フローラステークス
こんにちは。
フローラSの回顧をしていきます。
これまでも風が結果に与える影響はありましたけど、風と言うものは画像を通して確認出来るものではないので現場にいる時以外は考慮しにくいものであったのですが。
この日の東京競馬場は砂煙舞うほどの強風で、画像を通しても風の威力を確認することが出来てしまうほどでした。
こういう競馬は初めての経験でした。
ラップ・展開
12.5-11.3-11.3-11.6-11.9-11.9-12.5-11.8-11.8-12.1=1: 28.7
東京競馬場に吹いた風は向こう正面では追い風、直線では向かい風と言う風向きになっていました。
だからなのでしょうか?序盤からペースは流れ、直線で一列目にいた馬が失速しています。
前半のペースは1000m通過が58.6秒で通過しているのですが、このレースは前半が60秒以上をかけて進むことがほとんで59秒を切って進んだことはこれまでにありません。
このように過去最速のペースが展開された訳ですが、向こう正面で受けていた追い風の影響がラップを吊り上げていたかもしれません。
また、1~3着馬と1・3番人気のスカイグルーヴ、レッドルレーヴの5頭は直線入り口でほぼ横並びの1戦にいました。
1~3着の3頭は馬群の中で強風をやり過ごすことが出来ていましたが、スカイ・レッドの2頭は一列目にいたことから、強風の影響をモロに受けてしまっていのでしょう。
この5頭には風による物理的な有利不利があったかもしれません。
強風を防ぐ盾の役割を果たした馬と、その盾を利用出来た馬とで明暗が分かれてしまった印象です。
しかし、レース後に風の影響で勝った負けたのコメントを残した陣営はいませんでした。
内心でどのように思っているかわかりませんが、現時点で強風がレースの結果に影響を与えたという見地に立つべきではないかもしれません。
スカイ騎乗のルメール騎手はスタミナが切れで直線バテたと言っていますし、レッド騎乗のデムーロ騎手も似たような感じで距離が長かったかもと言っています。
このように強風以外の要因があった可能性もまた否定できません。ひとまずは今回の上位3頭の順当な力勝ちと受け取る事に致します。
最もスムーズな競馬が出来た勝ち馬ウインマリリンよりも、道中行きたがっていた2着ホウオウピースフルの方がポテンシャルは上な気もします。
そして、そのホウオウよりも外枠の不利を克服し、かつ直線で追い出せない不利も重なったフアナの方により魅力を感じます。
あいにく、3着フアナに出走権がないのは残念なのですが、この馬のポテンシャルも相当高そうです。
この3頭がオークスで再戦なんてことにはなりませんが、枠や状態次第で結果は違ってくるだろうと見ています。
各馬短評
勝ったウインマリリンは中山でしか経験の無い馬だったのでどれだけ長い脚を持っているかに懐疑的であったのですが、なかなかの脚力を備えていたようです。
レースは常にタイトに流れていましたし、ラスト3Fでも失速率が抑えられているので、最後までスピードの持続力が試されています。
この展開でも後半に脚を持続できる性能は普通に優秀だと思います。
高速馬場の経験もありませんでしたが、難なく対応出来た点も高評価。時計のかかる中山コースでも勝ち負け出来ているので馬場状況に左右されない所は好感が高まります。
これならいろんな局面で計算がしやすくなって来ます。この馬の強味になってくるかもしれません。
鞍上の横山武騎手はデビュー4年目にして重賞初制覇となりました。
この方がデビューするときに父の典騎手は「武志はやばい」ととても期待していた事が思い出されます。
その割には重賞勝ちが遅かった印象ですが、父にの期待に見合った活躍をするのはこれからかもしれません。
フレッシュ感全開でGⅠにチャレンジして頂きたいものです。
2番人気のホウオウピースフルが2着。
レーン騎手曰く多少行きたがっていたようです。
最初のコーナーを回ってから向こう正面で手綱をがっしりと抑え込んでいましたからこの辺りの事を言っているのかもしれません。
ここでの力みが最後に影響したのだろうとレーン騎手は話しています。
それでも最後まで脚を温存しながら回ってくるのですからやはり騎手が上手なのでしょう。
着差がクビだけにもう少し我慢出来ていればよかったかもしれません。
ただ、ペースはとても速かったですからこれで行きたがってしまうのは感心できないところでもあります。
オークスは距離も伸びますし、今回以上にペースが流れることもないと思います。本番に向けて多少不安材料を残したのかもしれません。
前走はマイル戦を試しましたがどうも忙しかったようで流れに乗り切れずに敗退の憂き目。陣営はクイーンCの結果でキレイさっぱりマイル戦を見限ったのだそうです。
本来の適性に戻したこのフローラSで仕切り直しの1戦であったのですが、この馬の適性が改めて証明されたことになります。
距離が伸びても良さそうですから、気性の面が改善されることが次走の好走条件となって来ます。
3着フアナのヒューイットソン騎手もやっぱりお上手な方ですね。
外枠不利が定説の府中の2000m戦。加えて高速馬場の開幕週はイン前有利が当たり前です。そんな条件でもあわや勝ち負けと言う競馬をしっかりとして来ます。
スタートは出たなりでしたが内ラチに密集していく馬群を冷静にやり過ごし、控えてインサイドへと進んで行きました。最初のコーナを回る頃にはもうラチ沿いでした。
ハンドル操作がとても巧だったなぁと思いまし、それに応えた馬も立派だと思います。
初来日であった今期の短期期間は騎乗馬に恵まれていたとは思えません。そんな中でも重賞勝ちや皐月賞3着と人気薄で結果を残すのですから、立派なものです。
天才騎手と言う触れ込みでやって来ましたが、その評判に偽りはなかったなぁと思います。
今回の免許もあとわずかですけど、青葉賞ではオーソリティに騎乗しますので、その手綱捌きはまだ目が離せません。
【回顧】 マイラーズカップ
こんにちは。
マイラーズCのレース回顧をしていきます。
最近の京都競馬場は馬場状況が悪い事が多く、高速競馬のイメージがだいぶ薄らいでいたのですが、春開催はやはり時計が速くなりますね。
前も止まりにくい馬場になっていますし、時計も上がりもなかなかの高速です。持ち時計の無い馬には厳しいのかもしれません。
ラップ・展開
12.3-11.3-11.7-11.9-11.4-11.3-10.9-11.6=1:32.4
2・3番人気の支持があったフィアーノロマーノがレース前に回避したり、ヴァンドギャルドが出遅れたりと波乱ぎみのスタートとなりました。
ただ、レースはものすごくシンプルで例年と比較して特別何かが秀でていたようなレースにはなっていないと思います。
馬場状況が良いので前が止まりにくくなっている点や、ラスト3Fに10秒台を含む高速上がりになるのも例年同様とです。
勝ち時計の1分32秒台も他場と比べれば十分速いんですけど、それも毎度の事なのでだから凄いという事にはなりません。
見た目のイメージもそれほど強烈な印象を残すものはなく、単純なスピード競馬だったと思います。
2着に粘り込んだベステンダンクは8歳馬で頑張りましたけど、後続から差してくる馬がほとんどいませんでしたし、雪崩れ込んだなぁと言う感じにしか思えません。
強いて言えば、出負けしたヴァンドギャルドの脚が強烈であったぐらいでしょう。
マイラーズCの勝ち馬も本番の安田記念で活躍することはないので、関連性の引くい局地戦的な1戦が終わったに過ぎないのだと思います。
各馬短評
そういう意味では勝ち馬インディチャンプにはうれしくないデータにはなりますが、余裕残しのレースで勝ったという事に意味は十分あるでしょう。
本来目的にしていたチャンピオンズマイルはこのマイラーズCと同日に行われたレースでしたので、ローテション的には良かったのかもしれません。
実際、行きっぷりがよくなっていたことは福永騎手も認めています。
しかし、この程度のレースをピークの状態で使うのは明らかに無駄撃ちになってしまいます。厩舎は安田記念を目標に再調整の必要を迫られることになりました。
今回のレースも余裕を持たせてレースに使っています。この状態で58kですから隙の1つや2つはある状態であったことは間違いがないでしょう。
なので、レースそのものが複雑なもおとならず、シンプルな展開で推移したことはこの馬にとってはプラスであったことでしょう。
力の発揮しやすい流れになっていたと思います。
無理して押っ付けたようなとこもなく、持ったまんまで直線先頭という楽な競馬で最後に2馬身差をつける完勝。
パトで確認しただけなのではっきりと言う事は出来ないのですが、ラスト100mあたりで使っていた鞭は見せ鞭だったのではないかと思います。
負担をかける事無く勝てたことが非常に大きく、余裕を持って安田記念に迎えるのは何よりです。
これでGⅠ3連勝も見えてきたのではないかと思います。
先日、出走してくる可能性が高いと思っていたアーモンドアイがヴィクトリアMに出走する事が報道されています。
アーモンドアイは1戦々々の負担が大きいので連戦使いは極力避けて使われてきました。仮に安田記念に連戦して来ても、既に隙あり決定の状況とも言えるでしょう。
これなら昨年同様のアーモンドアイ撃破と言うシーンが再び見れるかもしれません。今から楽しみな1戦になってきました。
3着ヴァンドギャルドはまたしても出遅れる競馬でもったいない競馬になってしまいました。
あれが無ければと言う事を言って差し支えないレース内容だったと思うので余計にそう感じます。
毎年の事ではあるんですけどこの開催の開幕週ではギャルドがしたような大外ブン回しは本来禁じ手であり、それで届くことなどほとんどありません。
いつもそういう競馬ばかりしているロードクエストやブラックムーンが今回イン突き狙いの競馬だったこともその表れで、マイラーズCであんな競馬はご法度です。
そんなコースに進路を取ってしまったのは岩田望騎手の若さを感じてしまうところでしょう。
出遅れたことで何もかも後手に回ってしまったからあのような運びになったのでしょうが、少し雑な印象も受けました。
しかし、馬はそんなことお構い無しに外目のコースをぐいぐい伸びて来ます。マイラーズCではあまりお目にかかれないような末脚でした。
使った上がりもこの馬だけ32秒台に突入しています。序盤の不利をラストだけで挽回出来てしまうその末脚性能は素晴らしいの一言です。
追込み脚質の馬ではないだけにこの馬の脚力がかなり高いことの証拠と言えるでしょう。
とにかくギャルドの走りは驚愕的でした。発馬五分でポジションをちゃんと取れていたらと思うと残念な感じです。
ただ、ちょっとスタートの悪さが慢性的になりつつあります。前走の東京新聞杯と同じでゲートが空いた瞬間に立ち上がるようなスタートに今回もなっていました。
これでもうたまたま出遅れたとは言えなくなりました。出遅れ癖として認識せざるを得ません。
この癖がこの馬の大成を阻むことになってしまう事になりそうです。
次走見直し対象馬
これと言う馬はいませんでした。
期待していたレッドヴェイロンですが、今回の浜中騎手も前走のルメール騎手同様で馬場が堅い事が敗因だろうと述べています。
馬が走るのをセーブしているのかもしれません。
4着ロードクエストは元来時計勝負は苦手なクチなので、今回の様な馬場で好走したことはちょっと驚きです。
この馬も7歳になってしまいましたが、GⅢ程度ならまだやれるのかもしれません。夏のマイルシリーズでうるさい存在になって来ることもあるでしょう。
5着ヴァルディゼールはやはり高速馬場に適応しきれなかった模様です。
慣れてくればこなすのか?成長が伴えば克服できるのか?この弱点についてはまだ何とも言えません。
なお、レース前除外のフィアーノロマーノは右前肢跛行したとのことです。
陣営は夏がダメな馬だからと今回結果を出しておきたかったのだそうです。
次走は安田記念と言う事までは決まっていたのですが、暑くなる前の今のうちにと今回は結構仕上げていました。
本番ではであまり期待できない状況なので、季節的にもここで無理するよりは大事を取って秋まで休養と言う事もあるかもしれません。
【回顧】 皐月賞
こんにちは。
皐月賞の回顧をしていきます。
終わってみれば無敗のGⅠ馬2頭の一騎打ち。そして勝ったのは昨年の最優秀2歳牡馬のコントレイルの方でした。
JRAの年度表彰の通りの結果になったのは非常に興味深い気がします。
そしてコントレイルは父ディープインパクト以来の無敗のダービー制覇の偉業がかかります。
前にも言いましたけど、やっぱり死んだ種牡馬の子は走るんですね。
ラップ・展開
12.2-11.3-12.1-11.8-12.4-12.9-12.2-11.9-11.8-12.1=2:00.7(稍重)
馬場が渇き稍重まで回復していました。
レースは快晴の中で行われ、気温も上がっていたので芝の緑が美しく煌びやかでした。なので、かなり良馬場に近づいてたのではないか?と思っていたのですが・・・
この10年で行われていた皐月賞では10・12・18年の3年が稍重で行われています。
10年(ヴィクトワールピサ):2:00.8
12年(ゴールドシップ):2:01.3
18年(エポカドーロ):2:00.8
ゴールドシップの時だけ少々かかっていますが、その他の2年とはほとんど変わりがないのでやはり時計はかかっていたようです。
これはほぼ同じ状況で行われたいたという客観的な証拠になります。
入線タイムが類似している10年・18年の当時はかなりタフな馬場状況でしたので今年も見た目以上にハードな馬場状況であった事はこれで間違いがなさそうです。
馬場が各馬に与えた影響はかなりあったのではないかと思います。重馬場の巧拙により結果に差が出ていたのではないでしょうか?
離して逃げたキメラベリテェの1000mは59.8秒も馬場を考慮すれば決して楽なペースではなかったと思います。
ただし、稍重で行われた上記3年のうち12・18年と比べると少々遅いペースであったので、後半1000mでの失速は多少抑えられています。
なので、ハイペースとまでは言えず計算上ではミドルに分類されるもので、先行した馬にも中段以降で待機した馬にもイーブンな流れでレースが展開していた模様です。
掲示板5頭の内訳も先行組2頭、中段1頭、後方組2頭と綺麗に分類出来るわかりやすい配列で決着しています。
レースの流れが結果に寄与した影響はほとんどなかっただろうと思われます。馬場の巧拙を抜きにすれば今回の結果は額面通りに受け取っていいでしょう。
GⅠ馬2頭が最後はマッチレースの様相で盛り上がりましたが、3着以下は3馬身半とチギれているのでこの着差はGⅠ級かどうかの境界線と受け取れます。
イーブンな展開であったことが、上位2頭との力差を如実に物語ってしまったようです。
終わってみればGⅠ馬2頭VSその他と言う構図になっており、レース前にされていた3強の評価は間違っていたという事になります。
各馬短評
コントレイスにサリオス。2頭の着差はごくわずか。大きな力差はなかったでしょう。
ですが、無敗馬同士であったので勝った負けたは普通の馬以上にシビアな現実となって来ます。
無敗が途絶えたサリオスのレーン騎手は馬場に敗因を求めています。最後に伸び負けたのは外がコンディションがよく、内が伸びにくいからだと分析しています。
とは言え、コントレイルはポジションの有利さを捨てて後方まで下げ、最後は外をブン回して来ているのですからこちらのロスも相当大きいはずです。
コントレイルが恵まれていたかというそうでなく、お互いがロスを抱えていたイーブンな状況でもあったと思います。
この2頭の結果も着順通りに評価しないとフェアにはなりません。サリオスは潔く完敗を認めるべきところでしょう。
でも、2頭の明暗を分けていたのは騎手の馬へのコンタクト量であったように思います。
レーン騎手も内より外が良いので「出したかったけど出せなかった」と話ているので、腹を括って下げてから外に出した福永騎手の方が上手く乗ったと言う事になります。
今回は騎手の腕の差が勝敗を決めたという見方も可能かもしれません。
ですが、レーン騎手は完全なテン乗でしたので、馬への理解度が足りていな勝った事は否めません。
もう少し騎乗経験があったなら馬の個性をより把握出来ていたでしょうし、レース中でのオプションももっと多かったはずです。
もっと違う手段を選んでサリオスを1着に導く事が出来た可能性はあったことでしょう。
馬がどう反応するかがわからなければ、ああしておけばよかったと言う事も出来ません。全くのテン乗りではどうしても限界があります。
レーン騎手は隔離期間中に馬に全く触れることが出来ませんでした。こういうところにもコロナ禍の影響が出ているのかもしれません。
かたや福永騎手とコントレイルは継続騎乗であり、新馬戦でもこの馬の手綱を取っていました。コンビ回数が多かったのは純粋にプラスに働いたでしょう。
かつ、ホープフルS後からのこの中間、福永騎手はノースヒルズの外厩大山ヒルズで放牧中のコントレイルに乗るために幾度となく足を運んでいたそうです。
これだけコンタクトが取れていれば、馬の個性は熟知出来ていますので、思い通りに御すことが出来ます。
今回のような大胆な騎乗もだから出来たのではないでしょう。
既に申し上げたように2頭に大きな力差はありませんでしたから、勝負付けが済んだと言えるような状況でもありません。
馬の力量的な面に原因を求めるよりも、馬の個性をどれだけ把握出来ていたかが影響していたのではなかろうか?と思います。
しばらくは日本にいるしかないレーン騎手も足りなかった騎乗経験をこの中間に十分と補う事が出来るでしょう。
ダービーまでにこの差はあっけなく埋まってしまうかもしれません。2頭のライバル物語はまだ終わっていないのではないかと考えています。
次走の日本ダービーでも2頭の激突に目が離せません。どちらもトラブルなく出走してきて欲しいと思います。
3着のガロアクリークの好走には少し驚きました。
これまでスローペースの上がりの競馬しか好走していなかったので、持続性のあるレースでここまで走るとは思いませんでした。
ペースがミドル止まりであったので辛うじてなんとかなったのかなぁと言う感じはありますが、この結果を受けた以上認識を改めなければなりません。
あと、デキもかなり良かったのだそうです。
この馬は上原厩舎なのですが厩舎の先輩で皐月賞馬でもあったダイワメジャーの時と同じぐらいの自信があると言う話をレース前にしています。
私はそんな訳あるかと信じなかったのですがそれは本当であったようです。
メジャーもスプリングSを人気薄で3着して権利を取り、皐月賞も人気薄で優勝でした。着順はガロアの2戦と逆ですが、こうしてみると確かにダイワメジャーと似たような戦績になりました。
不思議なこともあるものです。
3番人気の支持を集めていたサトノフラッグでしたが掲示板を死守するのが精一杯でした。
直線を向いた時点では良いコースを良い感じに上がってきていたなと思います。ドンピシャか?とさえ思えたほどだったのですが、そこから伸びあぐねて5着。
期待していたので何か理由でもあるのか?と探してみたのですが、3強の中ではこの馬が1番よい環境でレースをしていましたのでそれらしいものはありません。
最後も大して抵抗出来るでもなく、脚もなかった感じでした。
5着と言う着順は置いておいたとしても、上位2頭との差1.1秒(6馬身半)は致命的で、これは完全に力で負けています。
管理する国枝調教師も残念そうに「右にもたれてガス欠みたいになっていた。少し離されているし負け過ぎ。」と厳しい評価をしています。
力は出し切れる状態でしたし、弥生賞で勝っている条件なので適性的問題の可能性も考えづらく、そして不利もない。
これでは擁護のしようがありません。評価を落とさざるを得ない状況です。
次走見直し対象馬
今回は大きな不利が特になく、力を出し切れている馬がほとんどなのでコレと言う見直し対象馬はいないのではないかと思います。
ただ、GⅠ馬2頭以外の中間層がほとんど好走していないので簡単に触れておきます。
4番人気ヴェルトライゼンデは、4コーナーでノメっていたそうなので馬場の影響をしっかりと受けているようです。
新馬戦が重馬場、萩Sが稍重と結果を出してはいましたが、それも弱い馬を相手にしたものなのでクラスが上がるとそこまでではなかったと言うことなのでしょう。
重馬場はこなす程度で巧者と言う認識はもうしない方が良さそうです。萩ステで騎乗していたスミヨン騎手も良馬場ならもっと良いと言っていたくらいなので。
重馬場の場合、今後は相手関係を吟味して判断する必要がありそうです。
5番人気クリスタルブラックは豪脚を繰り出すことなく下位のまま。最後にはもう手応えが無かったのだそうです。脚がたまっていなかったのでしょう。
ペースはイーブンでしたから馬場が堪えた可能性はあるかもしれません。ただ、かなりのメイチでやっていたのでその反動の可能性はあったかも。
6番人気ダーリントンホールは向こう正面でポジション取りに失敗してしまった印象で、取りたい位置を取れなかったのが痛かったと思います。
そのせいで外に振られ過ぎてしまいました。
騎乗ミスの可能性もありそうですが、その際にちょっとズブい感じも見せているのでその影響もあったかもしれません。
いずれにせよ結果6着と人気通りには走っているのでそんなものと言えばこんなものなのでしょうが。
【回顧】 桜花賞
こんにちは。
桜花賞の回顧をしていきます。
デアリングタクトが怒涛の追込みで無敗の桜花賞制覇。鞍上の松山騎手はよろこびを爆発させています。
ですが、その喜びは誰に向けたものなのでしょうか?スタンドには観客がいません。モニターやテレビを通した私達に送ってくれているのでしょうか?
歓声がないのは騎手も寂しいのではないかと思います。松山騎手の様なフレッシュな方が優勝したことで、余計そのように感じてしまいました。
ペース・展開
12.4-11.2-11.3-11.6-11.5-11.7-12.6-13.8=1:36.1
降り出した雨で10Rには重馬場になり、11Rになっても降りやむことがありません。今年は雨中の桜花賞となりました。
レシステンシアは枠のせいか、雨のせいか、出たなりでジワジワ上がって2番手と言う競馬。ハナを取ったのは逃げ宣言していたスマイルカナでした。
数字的にはスピード競馬になっていませんけど、この状況にしてはレースは流れていてレース中盤に12秒台にペースが落ちることはありませんでした。
なので1000m通過は58.0秒と結構なペースで行っています。良馬場で行われた前日の阪神牝馬Sも速い流れでしたけど、それでも58.5秒です。
重馬場でこれではかなりのハイペースでしょう。
そのせいもあり最後はどんどん失速していきラスト1Fで1.2秒もラップがガタ落ちしています(13.8秒)。
上がり最速を記録した勝ち馬デアリングタクトの末脚ですら36.6秒とズブズブでした。
逃げたスマイル、番手だったレシステンシアに至っては38秒台と、最後は歩いているようなものです。
馬場&ペースとかなり厳しい条件が重なりレースはハードな消耗戦となりました。
逃げたのはスマイルかなデしたが、こういう締まった流れにしたのはレシステ騎乗の武豊騎手によるものでしょう。
スマイルはここまで逃げて3勝を上げたいた馬ですが、本来はこのように速いラップを継続させていくスタイルではありません。
良馬場でも12秒台までに落として息を入れながらポジション利を活かして最後に一脚使うと言うタメ逃げタイプです。
今回のような11秒台を連続してシビアな展開に持ち込む競馬はこれが初めてでした。
そんな馬がこんなペースで逃げたのは武豊騎手が2番手からレースを支配していたからです。
5F目にラップは多少上がっていように息を入れさせませんでした。この辺から武豊騎手のプレッシャーが始まっています。
それが4コーナ―まで続き、最後は直線を待たずに仕掛けています。決め手の無いレシステの個性を考慮すれば当然の運び方です。
武豊騎手も「やりたい競馬は出来た」とレース後に語っています。レシステの心配能力の高さをアテにした消耗戦に活路を求めていたようです。
肉を切らせて骨を断つ。捨て身のレースで勝ちに行ったレースだったのでしょう。その思惑はほとんどの面で成功しました。
でも、1頭だけ骨をつ事が出来ない馬がいたのは運がなかったとしか言いようがありません。
いや、ここは不幸だったというべきでしょう。レース上がりを1.5秒も上回る強力な脚力を持っていたデアリングタクトの末脚は破壊力抜群でした。
レシステ陣営にしてみたらこれで負けたら仕方ないという内容で、もう相手を褒めるしかありません。
勝ったデアリングには別格級の評価が必要そうですが、レシステも負けて強しの内容でした。それは3着と想像以上に粘着した3着スマイルも同様です。
各馬評価
勝ったデアリングタクトは初重賞チャレンジがこの桜花賞と言う事で主力メンバーとは未対戦の馬でしたが、2番人気と高い支持を受けていました。
これまでは後方からレースをしていたので、その末脚が強烈なインパクトを与えていたことでしょう。
ですが、これまでも32~33秒台と言ったキレる脚を使っていた訳ではなく、上がりを要する展開を34秒台で上がってくるという競馬をしていました。
こういう所に重馬場でも追い込めた要因を見出すことが出来ます。また、時計のかかる京都コースでの経験も有意義だったのでしょう。
中段以降を追走していた馬で上位まで追い込めた馬は他にいませんでしたから、この馬の末脚だけが突出していたという事です。
脚力が他馬と比較にならないほど優秀で迫力に溢れています。こういう競馬を見せられると能力が抜けているという表現を使わないといけなないところです。
思えば、2年前のアーモンドアイも2番人気でしたので、最強馬の称号はレースが終わってからでないと定まりません。
戦前にここまでのパフォーマンスを思い描くには戦績が十分ではありませんでした。ここが競馬の難しいところです。
ウィニングランで松山騎手は1本指を高々と掲げていました。3冠を意識しているのかな?とちょっと思ってしまいました。
が、それも不可能ではないと思うぐらいの圧勝ぶりだったと思います。オークスでも主役を担えそうです。
5月の府中は前が止まりにくい馬場で、この馬のこれまでの脚質では取りこぼしの可能性が多少あるかもしれません。
が、それも陣営には全く気にならないのではないかと思います。
「本当はどんな競馬でも出来るセンスのある馬」とこの馬の事を評価していて、これまでは安全に勝つためにああ言う競馬をしているに過ぎないのだそうです。
アーモンドアイもオークスで追込みスタイルから先行スタイルに馬場に合わせて脚質を転換させていました。
デアリングタクトにもそういう事が出来るだろうと、厩舎は考えているはずです。
レース後の反動があったり、仕上げを失敗しない限りはオークスでは馬券の中心と言う事になって来るでしょう。
2着レシステンシアの武豊騎手にとって誤算だったのはスマイルが想像以上に粘ってしまったことではないでしょうか?
ラスト1Fまでスマイルカナが張り付いて離れませんでした。
道中はプレッシャーをかけていたはずのスマイルに、直線では逆にスマイルからプレッシャーを受けていたような感じになってしまいました。
ようやくスマイルを振り切ったところでデアリングの強襲です。とても頑張っていたので、実に惜しい競馬でした。
前門の虎退治はなんとかなりましたが、後門の狼にまで手が回らなかったという印象です。
もう少し余裕を持って抜け出せていれば優勝の可能性は残ったかもしれません。
ですが、展開的にはとても厳しい流れをしのいで連対を果たしているのですから十分強い内容でした。
3着のスマイルカナもとても頑張っていたと思います。
レシステに執拗に絡まれ、4コーナーでも早めに来られているので逃げ馬のこの馬にはつらいところでした。
その割にはレシステを最後まで苦しめており五分に渡りあえていたと思います。馬場が味方した可能性もありそうですが立派な3着だったと思います。
それにしてもこの馬は逃げたら本当に強いですね。チューリップ賞では逃げないと良さが出ないという事がはっきりしていたので、陣営は何が何でもと行く構えでした。
前走で欠点をあぶりだせたことが桜花賞好走に繋がったのでしょう。この馬もまたトライアルで得た収穫が大きかったということです。
次走見直し対象馬
5着ミヤマザクラはノメりぱなし、6着サンクテュエールは馬場が堪えてラスト100mで止まり、5番人気だったマルターズディオサも馬場のせいで追走で精一杯。
各馬が重馬場に今回の敗因を求めています。
そういう事なら良馬場で見直せて来るので力負けの烙印をここで与えることもないでしょう。
馬場で泣いた敗戦馬は当然次戦以降の見直し対象馬と言う事になります。
なので、ここでは馬場の影響以外の物理的な不利が影響して負けた4着クラヴァシュドールを取り上げます。
スタートもよく、ポジションを取れていたので運び方としては良かったのですが、3~4コーナの中間で他馬に寄られて挟まれてしまいました。
デムーロ騎手曰くここで馬がひるんでしまったのだそうです。なのでポジションが2・3馬身程後ろに後退してしまいました。
このせいで、馬場が伸びる外へ進路取る手段を失ってしまいます。スムーズに外に出せていれば、直線伸びて来れたのではないかと思います。
結局は伸びない内目に進路を求めたのですが、馬場が痛んだインサイドでは一脚使ったところで脚色が一緒になってしまいそこまで。
不利が無ければ勝っていたとまでは言えませんが、脚は残っていたので2着馬ぐらいは交わせていたかもしれません。
今回はもったいない競馬でした。