【回顧】 弥生賞ディープインパクト記念

 

こんにちは。

 

 

皐月賞トライアル、弥生賞DI記念の回顧をしていきます。

 

 

ご存じの通りディープインパクトは既に急逝しており、残り産駒も少なくなってきています。

 

 

記念レースへの出走機会も限られているなか、たった1頭の産駒でいきなり優勝してしまうのは偉業に近いのではないでしょうか?

 

 

こういうところにもディープインパクトのカリスマ性が表れているようで、あらためてスーパーホースだったんだなぁと感じずにはいられません。

 

 

ちなみにですが、平松さとしさんのエッセイによるとシンザン記念シンザンの産駒が勝つことはなかったんだそうです。

 

 

やっぱりディープインパクトは格別な存在なんですね。

 

 

今回の結果を受けた以上、弥生賞ディープインパクト記念」という長ったらしい名前にもう文句は言わないようにしようと思います。

 

 

いつの日か弥生賞という言葉すらなくなってしまっても、ディープインパクトのしたことだからと私は許してしまうかもしれません。

 

 

さて、今年も馬場が悪化してレースがおこなわれました。昨年と同じような状況になってしまいました。

 

 

全体的なペースは1000mを61.1秒で通過しているので時計的には速くないですね。それでも先行していた馬は軒並み後退してしまい力尽きてしまったようです。

 

 

馬場が重いと時計では換算出来ないほど消耗しやすくなるものです。

 

 

昨年もそうでしたし、稍重だった15年(サトノクラウン優勝)の時も同じように先行勢が壊滅しています。これらの3年は前半61秒台で通過していました。

 

 

ですが、63.1秒で通過していた12年(コスモオオゾラ優勝)の稍重では2・3番手だった馬が2着に粘ることが出来ています。

 

 

馬場が悪化した場合は63秒ぐらいでたっぷりと時間をかけて回ってこないと先行する馬には厳しいという事なんでしょうね。

 

 

こういう馬場では後半のスタミナ勝負に備えてじっくりしているに限ります。消耗する体力を出来るだけ軽減してレースをすることが肝要です。

 

 

それと馬場が渋ることでインサイドの伸びが極端に悪くなります。

 

 

今年もまた外差し馬場になっていて上位の馬は4コーナーからまくって外目を伸びることでレースを決着させました。

 

 

昨年人気馬に乗りながら内目を付いて伸びを欠いていた勝浦騎手(1番人気ニシノデイジー)や田辺騎手(2番人気ラストドラフト)との違いが痛感出来てしまえそうです。

 

 

今年の武豊騎手・ルメール騎手・ヒューマンソン騎手の進路どりこそが正解だったということでしょう。

 

 

1流と呼ばれる騎手とそう呼ばれない騎手の差がこういうところに出て来るんだなぁと思います。

 

 

とにかく今年の3頭は馬場の傾向にしっかりと則り人気に応える結果となりました。

 

 

優勝したサトノフラッグは1枠1番でしたのでこのような馬場だと本来はマイナス材料となるのですが、武豊騎手は上手くさばいていましたね。

 

 

スタートしたスタンド前から出来るだけ外へ切り替えようと馬場の良いところを選んで進出していきました。

 

 

ポジションをキープしながら外へ進路取った辺りが素晴らしいと思います。最初から後方に下げて外に出すと言う乗り方ではそれだけ余計な脚を使うことになりますので。

 

 

重馬場なので体力温存しながら回らなければいけないところなので、自然と外目にポジションを取れたことは勝因の1つでしょう。

 

 

見事な騎乗だったと思います。

 

 

また、勝負所ではこの馬の強さを感じることも出来ました。

 

 

3着オーソリティが仕掛けながらながら4コーナーを回っていましたが、フラッグは持ったままで簡単にオーソリティに並びかけてしまいます。

 

 

手応えもばっちりでしたし、直線では楽に抜け出していたように映ります。この部分のレース運びはこの馬の性能の高さを最も端的に見て取れるところだと思います。

 

 

でも、それ以外の面を確認しても実に優秀な馬だなぁと思えるところが多々ありました。

 

 

道中の折り合いも全く問題ありません。GOサインを出してから反応も非常によい。序盤の武豊騎手の誘導にもスムーズに対応しています。

 

 

操作性は相当高そうですね。馬がとても賢いのでしょう。そして鞍上にとても従順です。

 

 

競争馬としての欠点が限りなく少ない馬と言っていいかもしれません。

 

 

また、今回の結果により重馬場にも難なく対応したことになります。府中の高速馬場ではレコード勝ちも収めています。3連勝での上がりも全部最速です。

 

 

馬場にとらわれることなく確実に上位の脚を使えるのですから、脚力の高さも相当期待できそうです。

 

 

まだ記録したことがない32~3秒台の高速上がりが使えるかどうかが未知数ぐらいですが、ディープインパクト産駒ならそんなことを懸念する必要もないでしょう。

 

 

残された疑問点は他馬との力関係ぐらいです。

 

 

コントレイルを筆頭とした既成勢力と対峙した時、果たしてサトノフラッグはどの辺に位置することが出来るでしょうか?興味の尽きないところです。

 

 

なお、府中の2歳レコード表を確認してみるとこんな感じになっています▼

 

 

◆1400m:1:20.8
∟タイセイビジョン(京王杯2歳S1着時) 
↑朝日杯FS2着

 

◆1600m:サリオス
∟サリオス(サウジRC1着時)
↑朝日杯FS1着

 

◆1800m:1:44.5
∟コントレイル(東京スポーツ杯2歳S1着時)
↑ホープフルS1着

 

◆2000m:1:59.5
∟サトノフラッグ(弥生賞DI記念1着時)
皐月賞?着、ダービー?着

 

 

とまぁ、今年の3歳世代が全ての記録を塗り替えていたのでした。高速馬場が手伝っている面は否定出来ませんが、そろいもそろってよくやる世代です。

 

 

また、サトノフラッグ以外はみなGⅠで連対経験があるというのですから、このレコード表の価値はものすごく高く感じます。

 

 

GⅠ未経験のサトノフラッグも期待を高くすることが出来るところですね。

 

 

こちらのレコード表はJRAのHP上で確認することが出来ます。興味のある方は下記から覗いてみて下さい▼

 

www.jra.go.jp

 

 

 

なお、皐月賞以降のこの馬の鞍上問題についての見解も少々触れておきましょう。

 

 

レース終了後数日経過していますが、予想時に指摘したように武豊騎手はやはりキーファーズ・マイラプソディに騎乗する方向で動いているようです。

 

 

サトノフラッグは現在鞍上が空白です。まだまだ確定しそうにないんですけど既にいろんな方向で関係者は動いているようです。

 

 

2着のワ―ケアですが、負けはしましたけど悲観するような負け方でもなかったですね。

 

 

最終コーナー手前で前が壁になっていて、完全に踏み遅れてしまいました。ちょうど外からサトノフラッグが追い上げているところでした。進路をカットされた格好です。

 

 

ワ―ケアがサトノフラッグに負けたというよりは、ルメール騎手が武豊騎手に負けたという感じじゃないでしょうか?

 

 

そこからしっかりと差を詰められていた感じからすると脚を余した負け方としておくといいかもしれません。

 

 

サトノフラッグとも勝負付けが付いたとは言えないと思います。

 

 

ルメール騎手の談話もかなりご機嫌なコメントでして「次が楽しみになった」と、むしろ手応えを感じてさえいるようでした。

 

 

負けはしましたが賞金加算など目的は十分達せられたのでこれでよかったんだと思います。

 

 

それに陣営は「目標はダービーだから」と今回は全く仕上げていないんです。

 

 

また、「中山の2000mはベストとは言えないですね」と話しているように能力を出し切れる条件とも考えていません。

 

 

この馬を見直せる材料は非常に多いと言えるでしょう。

 

 

それにホープフルS弥生賞DI記念のレース内容を見る限り、中山コースに全く適正がないようにも思えません。

 

 

皐月賞でもマークは外せそうにないですね。

 

 

3着オーソリティは上位3頭では真っ先に動く競馬で展開的には少し不利だったと思います。負けても強さは見せていると思います。

 

 

今回のような馬場でいち早く動く事はそれだけで致命的になるんですけど、権利を取るならああいう乗り方になります。

 

 

4着馬も何とか退けましたし、なかなか根性のある馬でしたね。今後も随所に良いところを見せられそうな馬だと感じました。

 

 

4着馬ブラックホールは予想時に申しました

 

 

>ですが、結局はオーソリティに2戦2敗なので対戦相手としては分が悪い。

 

 

の、通りになりました。

 

 

展開が向いていたのはブラックの方ですし、重馬場の環境を踏まえれば適正がより高かったのもブラックの方でしょう。

 

 

ブラックは賞金持ちで権利のなかったオーソリティとは仕上げ面で劣っていた可能性はあります。

 

 

でも、これだけ条件が揃いながら交わせなかったのはさすがに痛いですね。もう、オーソリティには勝てないんじゃないでしょうか?