【回顧】 フェブラリーステークス

 

こんにちは。

 

 

2月23日に行われたフェブラリーステークスの回顧をしていきます。

 

 

1着が安田記念馬で、5着にはホープフルSの勝ち馬。今年のフェブラリーSは元芝馬の大活躍で幕を閉じることになりました。

 

 

トップクラスが不在であったとはいえとても珍しい結果になったなぁという印象です。

 

 

また、大方の見解として今年はスロー・ミドルな展開が想定されていましたが、レースはそうはならず速い流れで進んでいきました。

 

 

過去と比較して超速いというペースではないのですが、3F目が34.6秒、1000目の通過も58.7秒と決して遅いペースではなく、立派なハイペースに分類できるレースです。

 

 

このブログでは逃げ馬が生き残るためには3F目を35秒台、もしくは1000mは60秒台で通過することが条件と話していました。

 

 

少なくとも逃げ馬が馬券になれるようなペースではなかったと言って差し支えありません。

 

 

逃げると思われていたインティのスタートも良くありませんでしたが、こんなペースで流れてしまうと追いかけても意味がありません。

 

 

行ったところで最後はダメだったことでしょう。武豊騎手は早々にハナに立つことを諦めてしまったようですがそれも無理からぬ話です。

 

 

こういペースを演出したのは逃げたワイドファラオではなく、2番手から一切引かず執拗にファラオに絡んでいったアルクトスの田辺騎手によるものです。

 

 

田辺騎手はインティが出遅れたことにより先手を取ろうと妥協せずに主張したのだそうです。

 

 

結果的にワイドファラオともども自滅してしまうのですが、ともあれレースの流れは速くなり厳しい展開となりました。

 

 

このペースは当然結果にも大きな影響を与えます。前に行った組がほぼ全滅する結果となりました。

 

 

3番手を進んだタイムフライヤーこそ5着と掲示板を確保しましたが、他は8着までが差し追いしてきた馬が占めてしまいました。

 

 

前に行かないとどこさもないというタイプに出番はなく、逆に前でも後ろでもどとらでもという馬がレースの流れに合わせて好走して来たなという印象です。

 

 

2着ケイティブレイブは抜群の出脚を決めながら前を追いかけませんでしたし、近2走で先行していた3着サンライズノヴァも本来の後方ポジションの競馬を選択しています。

 

 

レースの流れを早期に読み取った鞍上の判断は好走した要因の1つと言っていいでしょう。

 

 

それは優勝したモズアスコットも然りです。

 

 

今回のレースで一番良いスタートを決めたのがこの馬です。さすが元芝馬、芝部分で素晴らしいダッシュが効いています。

 

 

その後は出たなりで進めて行くだけで、ポジションが下がったのも控えたというよりは他の馬が速いからという感じです。

 

 

さらに1F目を過ぎたぐらいには内側に誰もいなくなり、とても楽にラチ沿いへ陣取ることが出来、ロスの無いとても良いポジションでレースを進めて行けました。

 

 

インティの後ろでレースが出来たのもやりやすかったことでしょう。中段からレース全体を眺められる良い位置で運び展開を見事に味方にしています。

 

 

加えて前を行っていた馬のほとんどが失速していくので、直線で馬群が大いにバラけていきました。結果、トップスピードのままとても楽に馬群を捌けてしまうという。

 

 

レース全体を通して、行く先々で進路が自然と開かれて行くという非常に楽なレース展開だったのではないかと思います。

 

 

1番人気がこれだけ楽にレースが出来てしまえば、楽勝するのも当たり前ですね。

 

 

また、ルメール騎手もスタートを決めたぐらいで他はほとんど何もしていません。馬のリズムを重視しただけの、すごくすごく楽なレースだったと思っていることでしょう。

 

 

不利もなく、無理することもなく、馬なり追走しただけで、直線だけの競馬で勝ってしまったなぁという印象です。

 

 

言ってしまえば、実力を出し切ることなくもなく、7分8分の力で楽勝したのではないかと思えます。

 

 

そんなレースではありましたが、レース内容の中身が薄いものでもなさそうです。

 

 

勝ち時計だけで見れば例年並みぐらいの時計は出ています。それもモズアスコットが2馬身半差と圧勝したことで記録されたようなものだからです。

 

 

他年と比較した相対的な見方では標準レベルには十分達しているでしょう。ラップ構成や走破タイムを確認してみるとゴールドドリームぐらいには強いかもしれません。

 

 

今年はメンバーのレベルが疑問視されていましたが、アスコの存在あったおかげでレースの格式がかろうじて守られたと言えるのかもと思います。

 

 

本気で走ればどれだけ強いんだろう?という疑問は当然湧くところでして、今回回避した面々とどこかでぶつかってくれるとまた面白いことになりそうです。

 

 

ただ、他のメンバーのほとんどが中距離馬であるので、1400mがベストのこの馬とは距離適性がかみ合っていないところが残念です。

 

 

トップクラスとの対決は1年待つ必要があるのかもしれませんね。

 

 

客観的に見ればケイティブレイブの2着は当たり前だよなぁという感じがしないでもありません。思えばこの馬もトップクラスと互角以上の戦いをしていた馬なので。

 

 

ただ、どう考えても距離は短かったですし、中央場所の成績も不安定。加えて近走の成績で全くいいところもない。

 

 

最低人気はさすがにやりすぎでしたが、支持を集めなかったのも当然です。ここで来るのかぁという感じは否めません。

 

 

そんな馬がどうして走ったのかと言えば、レースが自力勝負となったからでしょう。

 

 

道中のペースが厳しくなりますと、能力的なものがあぶりだされてしまいます。そういう展開だとどうしても力のないものから脱落していくものです。

 

 

それがGⅠレースならなおさらで、自力があることに間違いないこの馬に出番が回って来たということでしょう。

 

 

とりわけ今回は出走馬の質に問題があった馬ですから、ケイティブが浮上してしまう余地がない訳でもありませんでした。

 

 

だとしても・・・

 

 

ケイティ陣営にしてみればそれほど野心があった訳ではありません。

 

 

やはり好走を期待できるような条件ではありませんでしたし、登録するだけで出走するつもりはほとんど無かったのだそうです。

 

 

ところが、登録メンバーを見てこれだけ弱面だったので出れるだけで出てみようかという程度の話です。

 

 

その辺の事情は器用されていた鞍上を見ると推し測れるところでしょう。狙って出走してきたという感じは全くなくて、勝負気配というものはありませんでした。

 

 

このような背景があったので好走した要因を想定することがまるで出来ませんでした。