【回顧】 マイラーズカップ
こんにちは。
マイラーズCのレース回顧をしていきます。
最近の京都競馬場は馬場状況が悪い事が多く、高速競馬のイメージがだいぶ薄らいでいたのですが、春開催はやはり時計が速くなりますね。
前も止まりにくい馬場になっていますし、時計も上がりもなかなかの高速です。持ち時計の無い馬には厳しいのかもしれません。
ラップ・展開
12.3-11.3-11.7-11.9-11.4-11.3-10.9-11.6=1:32.4
2・3番人気の支持があったフィアーノロマーノがレース前に回避したり、ヴァンドギャルドが出遅れたりと波乱ぎみのスタートとなりました。
ただ、レースはものすごくシンプルで例年と比較して特別何かが秀でていたようなレースにはなっていないと思います。
馬場状況が良いので前が止まりにくくなっている点や、ラスト3Fに10秒台を含む高速上がりになるのも例年同様とです。
勝ち時計の1分32秒台も他場と比べれば十分速いんですけど、それも毎度の事なのでだから凄いという事にはなりません。
見た目のイメージもそれほど強烈な印象を残すものはなく、単純なスピード競馬だったと思います。
2着に粘り込んだベステンダンクは8歳馬で頑張りましたけど、後続から差してくる馬がほとんどいませんでしたし、雪崩れ込んだなぁと言う感じにしか思えません。
強いて言えば、出負けしたヴァンドギャルドの脚が強烈であったぐらいでしょう。
マイラーズCの勝ち馬も本番の安田記念で活躍することはないので、関連性の引くい局地戦的な1戦が終わったに過ぎないのだと思います。
各馬短評
そういう意味では勝ち馬インディチャンプにはうれしくないデータにはなりますが、余裕残しのレースで勝ったという事に意味は十分あるでしょう。
本来目的にしていたチャンピオンズマイルはこのマイラーズCと同日に行われたレースでしたので、ローテション的には良かったのかもしれません。
実際、行きっぷりがよくなっていたことは福永騎手も認めています。
しかし、この程度のレースをピークの状態で使うのは明らかに無駄撃ちになってしまいます。厩舎は安田記念を目標に再調整の必要を迫られることになりました。
今回のレースも余裕を持たせてレースに使っています。この状態で58kですから隙の1つや2つはある状態であったことは間違いがないでしょう。
なので、レースそのものが複雑なもおとならず、シンプルな展開で推移したことはこの馬にとってはプラスであったことでしょう。
力の発揮しやすい流れになっていたと思います。
無理して押っ付けたようなとこもなく、持ったまんまで直線先頭という楽な競馬で最後に2馬身差をつける完勝。
パトで確認しただけなのではっきりと言う事は出来ないのですが、ラスト100mあたりで使っていた鞭は見せ鞭だったのではないかと思います。
負担をかける事無く勝てたことが非常に大きく、余裕を持って安田記念に迎えるのは何よりです。
これでGⅠ3連勝も見えてきたのではないかと思います。
先日、出走してくる可能性が高いと思っていたアーモンドアイがヴィクトリアMに出走する事が報道されています。
アーモンドアイは1戦々々の負担が大きいので連戦使いは極力避けて使われてきました。仮に安田記念に連戦して来ても、既に隙あり決定の状況とも言えるでしょう。
これなら昨年同様のアーモンドアイ撃破と言うシーンが再び見れるかもしれません。今から楽しみな1戦になってきました。
3着ヴァンドギャルドはまたしても出遅れる競馬でもったいない競馬になってしまいました。
あれが無ければと言う事を言って差し支えないレース内容だったと思うので余計にそう感じます。
毎年の事ではあるんですけどこの開催の開幕週ではギャルドがしたような大外ブン回しは本来禁じ手であり、それで届くことなどほとんどありません。
いつもそういう競馬ばかりしているロードクエストやブラックムーンが今回イン突き狙いの競馬だったこともその表れで、マイラーズCであんな競馬はご法度です。
そんなコースに進路を取ってしまったのは岩田望騎手の若さを感じてしまうところでしょう。
出遅れたことで何もかも後手に回ってしまったからあのような運びになったのでしょうが、少し雑な印象も受けました。
しかし、馬はそんなことお構い無しに外目のコースをぐいぐい伸びて来ます。マイラーズCではあまりお目にかかれないような末脚でした。
使った上がりもこの馬だけ32秒台に突入しています。序盤の不利をラストだけで挽回出来てしまうその末脚性能は素晴らしいの一言です。
追込み脚質の馬ではないだけにこの馬の脚力がかなり高いことの証拠と言えるでしょう。
とにかくギャルドの走りは驚愕的でした。発馬五分でポジションをちゃんと取れていたらと思うと残念な感じです。
ただ、ちょっとスタートの悪さが慢性的になりつつあります。前走の東京新聞杯と同じでゲートが空いた瞬間に立ち上がるようなスタートに今回もなっていました。
これでもうたまたま出遅れたとは言えなくなりました。出遅れ癖として認識せざるを得ません。
この癖がこの馬の大成を阻むことになってしまう事になりそうです。
次走見直し対象馬
これと言う馬はいませんでした。
期待していたレッドヴェイロンですが、今回の浜中騎手も前走のルメール騎手同様で馬場が堅い事が敗因だろうと述べています。
馬が走るのをセーブしているのかもしれません。
4着ロードクエストは元来時計勝負は苦手なクチなので、今回の様な馬場で好走したことはちょっと驚きです。
この馬も7歳になってしまいましたが、GⅢ程度ならまだやれるのかもしれません。夏のマイルシリーズでうるさい存在になって来ることもあるでしょう。
5着ヴァルディゼールはやはり高速馬場に適応しきれなかった模様です。
慣れてくればこなすのか?成長が伴えば克服できるのか?この弱点についてはまだ何とも言えません。
なお、レース前除外のフィアーノロマーノは右前肢跛行したとのことです。
陣営は夏がダメな馬だからと今回結果を出しておきたかったのだそうです。
次走は安田記念と言う事までは決まっていたのですが、暑くなる前の今のうちにと今回は結構仕上げていました。
本番ではであまり期待できない状況なので、季節的にもここで無理するよりは大事を取って秋まで休養と言う事もあるかもしれません。