【回顧】 フローラステークス
こんにちは。
フローラSの回顧をしていきます。
これまでも風が結果に与える影響はありましたけど、風と言うものは画像を通して確認出来るものではないので現場にいる時以外は考慮しにくいものであったのですが。
この日の東京競馬場は砂煙舞うほどの強風で、画像を通しても風の威力を確認することが出来てしまうほどでした。
こういう競馬は初めての経験でした。
ラップ・展開
12.5-11.3-11.3-11.6-11.9-11.9-12.5-11.8-11.8-12.1=1: 28.7
東京競馬場に吹いた風は向こう正面では追い風、直線では向かい風と言う風向きになっていました。
だからなのでしょうか?序盤からペースは流れ、直線で一列目にいた馬が失速しています。
前半のペースは1000m通過が58.6秒で通過しているのですが、このレースは前半が60秒以上をかけて進むことがほとんで59秒を切って進んだことはこれまでにありません。
このように過去最速のペースが展開された訳ですが、向こう正面で受けていた追い風の影響がラップを吊り上げていたかもしれません。
また、1~3着馬と1・3番人気のスカイグルーヴ、レッドルレーヴの5頭は直線入り口でほぼ横並びの1戦にいました。
1~3着の3頭は馬群の中で強風をやり過ごすことが出来ていましたが、スカイ・レッドの2頭は一列目にいたことから、強風の影響をモロに受けてしまっていのでしょう。
この5頭には風による物理的な有利不利があったかもしれません。
強風を防ぐ盾の役割を果たした馬と、その盾を利用出来た馬とで明暗が分かれてしまった印象です。
しかし、レース後に風の影響で勝った負けたのコメントを残した陣営はいませんでした。
内心でどのように思っているかわかりませんが、現時点で強風がレースの結果に影響を与えたという見地に立つべきではないかもしれません。
スカイ騎乗のルメール騎手はスタミナが切れで直線バテたと言っていますし、レッド騎乗のデムーロ騎手も似たような感じで距離が長かったかもと言っています。
このように強風以外の要因があった可能性もまた否定できません。ひとまずは今回の上位3頭の順当な力勝ちと受け取る事に致します。
最もスムーズな競馬が出来た勝ち馬ウインマリリンよりも、道中行きたがっていた2着ホウオウピースフルの方がポテンシャルは上な気もします。
そして、そのホウオウよりも外枠の不利を克服し、かつ直線で追い出せない不利も重なったフアナの方により魅力を感じます。
あいにく、3着フアナに出走権がないのは残念なのですが、この馬のポテンシャルも相当高そうです。
この3頭がオークスで再戦なんてことにはなりませんが、枠や状態次第で結果は違ってくるだろうと見ています。
各馬短評
勝ったウインマリリンは中山でしか経験の無い馬だったのでどれだけ長い脚を持っているかに懐疑的であったのですが、なかなかの脚力を備えていたようです。
レースは常にタイトに流れていましたし、ラスト3Fでも失速率が抑えられているので、最後までスピードの持続力が試されています。
この展開でも後半に脚を持続できる性能は普通に優秀だと思います。
高速馬場の経験もありませんでしたが、難なく対応出来た点も高評価。時計のかかる中山コースでも勝ち負け出来ているので馬場状況に左右されない所は好感が高まります。
これならいろんな局面で計算がしやすくなって来ます。この馬の強味になってくるかもしれません。
鞍上の横山武騎手はデビュー4年目にして重賞初制覇となりました。
この方がデビューするときに父の典騎手は「武志はやばい」ととても期待していた事が思い出されます。
その割には重賞勝ちが遅かった印象ですが、父にの期待に見合った活躍をするのはこれからかもしれません。
フレッシュ感全開でGⅠにチャレンジして頂きたいものです。
2番人気のホウオウピースフルが2着。
レーン騎手曰く多少行きたがっていたようです。
最初のコーナーを回ってから向こう正面で手綱をがっしりと抑え込んでいましたからこの辺りの事を言っているのかもしれません。
ここでの力みが最後に影響したのだろうとレーン騎手は話しています。
それでも最後まで脚を温存しながら回ってくるのですからやはり騎手が上手なのでしょう。
着差がクビだけにもう少し我慢出来ていればよかったかもしれません。
ただ、ペースはとても速かったですからこれで行きたがってしまうのは感心できないところでもあります。
オークスは距離も伸びますし、今回以上にペースが流れることもないと思います。本番に向けて多少不安材料を残したのかもしれません。
前走はマイル戦を試しましたがどうも忙しかったようで流れに乗り切れずに敗退の憂き目。陣営はクイーンCの結果でキレイさっぱりマイル戦を見限ったのだそうです。
本来の適性に戻したこのフローラSで仕切り直しの1戦であったのですが、この馬の適性が改めて証明されたことになります。
距離が伸びても良さそうですから、気性の面が改善されることが次走の好走条件となって来ます。
3着フアナのヒューイットソン騎手もやっぱりお上手な方ですね。
外枠不利が定説の府中の2000m戦。加えて高速馬場の開幕週はイン前有利が当たり前です。そんな条件でもあわや勝ち負けと言う競馬をしっかりとして来ます。
スタートは出たなりでしたが内ラチに密集していく馬群を冷静にやり過ごし、控えてインサイドへと進んで行きました。最初のコーナを回る頃にはもうラチ沿いでした。
ハンドル操作がとても巧だったなぁと思いまし、それに応えた馬も立派だと思います。
初来日であった今期の短期期間は騎乗馬に恵まれていたとは思えません。そんな中でも重賞勝ちや皐月賞3着と人気薄で結果を残すのですから、立派なものです。
天才騎手と言う触れ込みでやって来ましたが、その評判に偽りはなかったなぁと思います。
今回の免許もあとわずかですけど、青葉賞ではオーソリティに騎乗しますので、その手綱捌きはまだ目が離せません。