【回顧】 ニュージーランドトロフィー

 

こんにちは。

 

 

NZTのレース回顧をしていきます。

 

 

相性の良いファルコンS組は指摘の通りウィングレイテスト(7番人気)の巻き返しがきまり、負けすぎていた4着アブソルティスモの4着まで。

 

 

他にも前走重賞組のシーズンズベストが2着となり、今年のNZTも概ね傾向通りの結果で想定できる範囲で決着することになりました。

 

 

トリッキーな中山マイルで、3歳の限定戦なので難しい印象が先に立つのですが、このレースも段々と攻略法が見えてきたかもしれません。

 

 

 

ペース・展開

 

12.3-10.9-11.0-11.7-11.7-11.7-11.9-11.8=1:33.0

 

 

2F目に10秒台を刻んでいますのでやはり物凄い速いペースでした。1枠の2頭が競り合う形で先導したので前がかりな展開となってしまいました。

 

 

その割にはラストも頑張っていて11.7-11.9-11.8と失速率の低いラスト3F、後方にいた組でも上位3頭以外は中々前に詰めることが出来ませんでした。

 

 

なので、4着以下が少しちぎれてしまっています。この3着4着間の着差2馬身半が重賞級かそうでないかの境界線になっているように思います。

 

 

道中で緩んむことがなく速いラップを刻んだままゴールまで突っ走てしまうレベルの高いレースで、完全に地力が問われたレースと言っていいでしょう。

 

 

弱い馬から脱落していったレースでした。

 

 

2着馬も3着馬も重賞実績を持っていた馬ですし、勝ち馬もその評判の高さを見事に証明した結果になりました。

 

 

何頭かの例外はあるのですが、4着以下は成長を待つか、生涯条件クラスでの生活を余技無くされることでしょう。

 

 

走破時計も評価するに十分な時計でしたし、非常にハイレベルな1戦であったと思います。

 

 

ただ、上位3頭に関してはまともなら着順は変わっていた可能性があります。

 

 

2着シーズンズギフトが4コーナーで外側に斜行したことで津村騎手は戒告の処分を受けました。

 

 

この斜行の被害馬になったのが8番の馬と、1着馬(⑪)・3着馬(⑯)の3頭です。

 

 

シーズンズの斜行で連鎖的に⑧→⑪→⑯と言う順に4コーナーで外に流されていきました。

 

 

さらに、この過程で1着ルフトシュトロームが直線入り口で3着ウイングレイテストを外側にさらに弾き飛ばしています。

 

 

結果的に見てもこれが無ければと言う着差(0.1秒差)です。

 

 

シーズンズはそもそも斜行が無ければあのタイミングで抜け出して来れなかったでしょう。

 

 

ルフトもグレイテストを弾いていなければ進路をなくしていたので踏み遅れていたはずです。

 

 

まともだったら3着ウィングレイテスト優勝の可能性は捨てきれませんので、私も否定はしません。

 

 

今回の展開だけでは上位3頭に明確な力差を見出すことは出来ないでしょう。

 

 

ただ、このように最後の進路どりはレースの結果を決める重大な一面であったと言えます。

 

 

フェアではありませんでしたが、ギリギリの攻防戦をここに見ることが出来ます。レースの醍醐味は堪能できたのではないですか?

 

 

 


各馬評価

 

 

ルフトシュトロームはゴール前のアナウンスでは上手く発音出来ずに言い直していました。良いにくい名前なんでしょうね。

 

 

重賞初制覇を無敗で達成することになりました。これで3戦3勝です。それまでの2戦も強い競馬をしていてノーステッキでここまで来ていました。

 

 

厳しくしんどい流れでしたので今回はさすがに鞭が入りましたけど、しっかりと反応して最後に一伸びすることが出来ました。

 

 

この点は評価出来る材料となるでしょう。

 

 

厩舎側としては繊細な面が残っているので中山マイルの他頭数だと揉まれ弱いかもしれないという懸念を持っていました。

 

 

なので、今回は外目を引いて上手く乗り切れたと言う事かもしれません。馬群に包まれた時の不安材料を残したままなのは、懸念材料とせねばなりません。

 

 

どこまで強いかは依然未知数なままで、GⅠ級の評価を確実にするのはメンタル面の成長は必須条件だと思われます。

 

 

ただ、成長途上な点も多く、本来の能力を出し切れていない可能性すらあるので無事に行けば前途は有望でしょう。

 

 

滑舌の良いアナウンサーでも噛んでしまうようなややこしい名前です。この馬が強くなって来ると実況中継は大変かもしれませんね。

 

 

なお、この後はNHKマイルCに進むことになっていて、実はレース前から本番はレーン騎手をFIXさせていました。

 

 

それだけにNZTはNHKマイルC出走を確実にさせるための必勝態勢であったのだそうです。

 

 

2着シーズンズベストは4コーナーでの斜行が無ければもっと素直に喜べたのでしょうが、ちょっと後味の悪さも残した印象です。

 

 

なお、この馬は春はここまでと言うのが最初から決まっていて、権利を取ってもNHKマイルCには出走せずに秋に備える事がレース前から決まっていました。

 

 

それ以前の戦績を見ればわかるように志向としては中距離タイプの馬なので、秋に秋華賞と言うのが最大目標になっています。

 

 

その為にも、出来ればここで賞金加算をして秋に余計なレースには使わないようにしたいと、先々を見据えた戦略プランが練られていました。

 

 

なので、確実に賞金を上積みできるレースをと言うことでいろいろな選択肢からこのNZTが選ばれています。

 

 

よって、今回が超絶メイチであったことは間違いがありません。そういう事を知っていれば馬券は取りやすいですね。

 

 

そういう訳でマイル適性に期待したNZTに出走したのではない事をちゃんと覚えておく必要があります。

 

 

半年後、例えば紫苑SローズSに出走してきた時に前走がマイル重賞だったからと距離延長を不安視しないように注意しておきましょう。

 

 

3着ウィングレイテストはここ2戦の敗戦で人気が落ちていましたが、厩舎や馬主の期待は高い馬でGⅠ2勝のウィンブライトに匹敵すると言われていた馬です。

 

 

朝日杯FSは力負けなのかもしれませんが、前走は休み明け&馬場差など敗因は明確でした。条件が整っていればこのぐらいのメンバーならさすがに巻き返します。

 

 

あくまでNHKマイルCを目標にやってきた馬なのですが、ここである程度の結果を出しておかないと本番に楽しみが無くなるだろうと厩舎のモチベーションは決して低くありませんでした。

 

 

最終コーナーでのアクシデントが無ければこの馬が勝っていた可能性も十分にありましたので、これで胸を張って本番へ向かえることでしょう。

 

 

 

次走見直し対象馬

 

 

 

3番人気6着のハーモニーマゼランは今回は厳しい流れになっていたと思います。

 

 

レースが中盤にさしかかる頃には先導したカリオストロ・カフェサンドリヨンの2頭に追走する形をとっています。

 

 

これだけ速いペースに真正面から付き合ってしまいました。さすがに厳しい展開です。

 

 

大野騎手はもう少し控えることも出来たはずなのですが。馬のリズムを重視したのかもしれませんが、ちょっと強気が過ぎた印象です。

 

 

それでも4コーナーでは持ったまんまで前の2頭を交わして行く様はとても格好良かったと思います。

 

 

こういうハイペースの競馬に対応出来る上質なスピードがあることも今回で解りましたし、レースセンスそのものは感じられました。

 

 

やはり良い馬ですね。今日のところは展開負けと言う感じでいいと思います。展開次第で今後もどこかで食い込んで来ることでしょう。

 

 

先々的にもしばらくは注目を外せない馬だと思います。