【回顧】 フィリーズレビュー
こんにちは。
フィリーズレヴューの回顧をしていきます。
今年はとにかく速かったですね。
スタートは他に速い馬もいましたがそれを制して1番人気のカリオストロが行きます。
ただ、松山騎手がスタートで少しケツを落としてしまっているので他に遅れを取ってしまいハナに立つまでしばらくかかってしまいました。
12番人気だったナイントゥファイブの出脚も良かっただけでに、カリオストロはこれを交わしていくのに一苦労したなぁと言う印象です。
この2頭が緩めず行ったので3F通過は33.4秒でした。阪神コースでこの通過ラップは超速いですね。過去10年でも記録されたことのないスピードです。
しかも馬場は稍重でしたから数字以上にしんどいはずなんですけど・・・
こんなペースで行っていた2頭が3着・4着と残れてしまうという事はまだ馬場状況がいいんでしょうね。前が簡単に止まらな状態が続いているようです。
良馬場だったらレコードを更新していたんじゃないかと思います。
こういう状況で外を回してしまうと前との差が開くだけになるので届かないですね。今回は上位に来た馬がみな距離ロス無く内々を回って来た馬で占められていました。
1~7着までの馬は1枠の2頭、2枠の2頭、3枠の2頭、そして4枠の1頭となっているのはかなり特徴的です。枠による差配が極端なレースでした。
3番人気で9着と大敗を喫したアヌラーダプラ(7枠14番)は終始外目の追走で馬群を捌けないまま、結局馬場の外目に進路をとってしまいました。
今回の馬場傾向でこの運びではキツかったでしょう。
枠に泣き、流れにも乗れず、力を発揮することなく沈んでしまったという感じです。いい馬であるだけに今回はお気の毒なレースでした。
こんなレースを制したのが5番人気の伏兵エーポスです。
ゴール前の末脚は目の覚めるような迫力を感じます。前がガンガンやりあっていたのをまとめて差し切ってしまいました。
レース上がりは36.0秒とかかっており、11.5-12.0-12.5とゴールに近づくほど減速していましたので、とてもしんどいレースでした。
なので、エーポスが差し切れたのも結局は前が止まったからという事は言えてしまいます。
然しながら、上がり2位だったソーユーフォリア(15着)の末脚は35.8秒と時計を要していて、。エーポスのそれは35.1秒と1頭だけ飛び抜けていました。
次位に0.7秒も差があるのですからその破壊力は凄まじいですね。
他の17頭が35.8秒以上の脚を使えないレース構造でこの馬だけがこんな時計で走れてしまうのは理屈的には通らない話です。
次元の違う脚というのはこういう馬のためにある言葉なのだろうなぁと思ってしまいます。身体能力が抜けていたと認める他ありません。
こういう脚を本番でも使えるようなら桜花賞で出番がないとはとても言えません。桜花賞とは関連性が低いレースなのですが、今年はちょっと違っているかもしれません。
本番でも警戒が必要な1頭になるでしょう。ですが、本番への余力は果たして残っているのでしょうか?
12月の中旬にデビューして以降は月1出走の4走目でした。この間、462kだった新馬戦から体重を減らし続けて、ついに446kとなっています。
このトライアルの特性上メイチの馬も多く、この馬にもそういう懸念は残ります。だからこそ極上の末脚を使えたのかもしれませんし。
上積みは期待しづらいところですが、果たしてどうなんでしょう?
今回の強さが際立っていただけに本番まで調整内容をちゃんと確認していく必要があると思います。
2着のヤマカツマーメイドの走りこそが普通の馬の出来る最大限のパフォーマンスなのではないかと思います。
完全な勝ちパターンの競馬だったので池添騎手もまさか負けるとはって思っていなかったのではないでしょうか?今回は相手を褒めるしかありません。
ヤマカツも非常に濃い競馬をしていました。超ハイラップの流れを速めに行って、1度は完全に先頭に立っていましたので。
ただ、この強さが桜花賞での対応力に疑問を呈してしまうところは悲しいところです。
こういう持続力勝負で強いというのは、決め手が優先される桜花賞では真逆の適正です。このパフォーマンスがベストだとしたら、桜花賞に適しているとは思えません。
また、仮に桜花賞が持続力優先のレースになったとしてもそこには持続力勝負で超強いレシステンシアがいるわけで・・・
桜花賞でのハードルはかなり高いのではないかと思います。
ただ、この馬が走ったことで、あらかじめ話しておいた「フィリーズレヴューの法則」の有効性がまたしても立証されたことになります。
「前走距離」「阪神JF出走馬」そして「ファンタジーS5着以内」。これを満たした馬が昨年に続いて連対しました。
かなりの確率と言えるでしょう。これはもう鉄板則としていいかもしれません。
このレースも毎年難しいレースとなりますから、勝利の方程式が見えてきたことは来年に向けて明るい材料となるでしょう。
以下、3・4着はまとめて。
1番人気で果敢に逃げたカリオストロですが、ナイントゥファイブにマークされる形でしんどいレースだったとは思います。
ですが、既にハナに立っていたナインを交わしに行ったのはカリオの方です。先に喧嘩を売っているのですから、それで展開がきつかったというのは虫のいい話でしょう。
カリオ陣営としては「ハナじゃなくても競馬は出来る」と言う認識でいたんですけど、「この枠なら」行った方がいいだろうという作戦となっていました。
でも、ハナじゃなくても競馬が出来る馬ならあの状況なら控た方がいい結果だったと思います。人気を背負っていたのですから、そこは冷静に対応して欲しいところでした。
そのせいで優先出走権も目の前で取りこぼすしてもいるので悲しいところです。1枠1番と言う先入観が足を引っ張った印象で痛い敗戦となると思います。
変わって3着ナインの方ですが、この結果を見ればこの馬がカリオと同等以上の能力があったという事はもうご理解いただけていると思います。
ナインもハイペースを押し切りにかかり、1番人気を競り落として3着に残しています。レースのアヤでマギれ込んだような評価にはとても出来ません。
ガチンコ勝負での結果ですので、この2頭間にフロック性は介在していないと思います。
予想時に簡単に触れましたが、阪神1400mの未勝利戦を同じような内容で勝っています。ラップ構成が似通っており、どちらも強い競馬だったと分析できものでした。
しかも、馬場状況を勘案した入線時計で比較すればむしろナインの方が強いんではないかと言えるぐらいです。
そんな2頭が1番人気と12番人気と評価され、真逆の扱いをされていました。2頭の明暗を分けたのは次戦以降のローテのためでしょう。
カリオは同条件で2勝目を上げていましたし圧勝の内容でしたからこれが人気を得るのは当然だと思います。
ただ、ナインの方はマイル戦でいいところがありませんでした。これで本来の適正が見えなくなってしまったんだと思います。
この手の馬が外回りのマイル戦で負けるのはよくあることですで、適正がズレていたのですからそこを見直す必要はありました。
ナインがカリオと同じように阪神1400m戦を次戦で走っていればこんな人気にはなっていなかったと思います。
本当は同等の力を有していながら評価が同等にならなかったこういう事象を盲点と表現するのだと思います。